魔女 vs 料理人クッキー⑪

魔女と王様は

互いに引かないで言い合ってます

聞いていると

昔は魔女と国民は

仲良く共存していたのに

いつの頃からか

いがみ合うようになりました

しかし、実際に何か起きた訳ではないのです

魔法を使える魔女に

国民は恐怖を覚え

「いつか魔法で

襲われるぞ」と言う人が現れ

それを引き金にして

魔女狩りに発展したと言う訳です

しかし、これまでの戦いで

たくさんの人や魔女が

犠牲になっているのです

身近な人を失った者には

その相手を許す事ができないのです

お互いに・・・

ふと、魔女が王子を見た時

（王子と言っても青虫デスガ・・・）

青虫は固くなって動きません

もちろん、自分が魔法でやったのですが

それ以上に

思ったより硬直してたので

驚いたのでした

「こんな筈ではなかったのに・・・　　　

ごめんなさい、王子」

涙を流す魔女を見て

国民と王様は唖然としました

「あの魔女が

まさか涙を流すとはなあ」

「好い人だったのかもね !?」

そうです。誰も魔女と触れ合った事が無いので

魔法で悪さをする敵のイメージが

広がってただけなのです

その涙が、青虫の王子にこぼれた時

王子の背中に亀裂が走り

中から精悍な顔立ちになった

凛々しい王子が現れました

硬直していたのではなく

青虫が蝶になる前に

サナギになるのと同じように

王子に戻る前の工程だったのでしょうね

「おお～」

みんなが驚きと歓喜の混ざった声で

国中に響くくらい騒ぎ

喜びました

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